親の家を売却するという決断は、感情的にも大きな節目となるだけでなく、手続きや法律、税金など考慮すべきことが多くあります。特に、相続した家を売却する場合には、不動産の名義変更や遺産分割協議、売却にかかる費用や税金など、事前に把握しておくべきことが多岐にわたります。
家族の大切な思い出が詰まった家だからこそ、適切な方法で売却を進めたいという方も多いでしょう。
そこで本記事では、具体的な売却方法や流れ、注意点について詳しく解説します。初心者にも分かりやすく、売却をスムーズに進めるためのコツや税金対策もご紹介しますので、この記事を参考に、後悔のない選択をしていただければ幸いです。
親の家を売る前に考えるべきこと
親の家を売る際には、まず家族で話し合うことが重要です。
売却目的を明確にする
親の家を売る際には、まず「なぜ売却するのか」という目的を明確にすることが重要です。売却目的によって、進めるべき手続きや売却活動の優先順位が変わるためです。たとえば、「相続した家を現金化したい」という理由なら、早期売却を重視して価格設定を工夫する必要があります。一方、「管理が困難だから売却したい」という場合は、家の状態や維持費を考慮したタイミングが重要です。また、「家族の意向で手放すことになった」というケースでは、全員が納得できる形での売却計画を立てることが求められます。
目的が不明確なまま進めると、売却後に「もっと高値で売れたのではないか」「別の使い道があったのでは」と後悔する可能性があります。目的を具体的にすることで、適切な売却方法やタイミングが見えてきます。家族の大切な財産である家だからこそ、売却を進める前に、しっかりと目的を整理することが成功への第一歩となります。
家族との話し合い
親の家を売却する際には、家族全員との話し合いが欠かせません。不動産は金銭的価値が大きいだけでなく、家族にとって思い出の詰まった存在でもあります。そのため、売却に関して意見が分かれることも少なくありません。相続人が複数いる場合は、誰が売却に関与するか、売却益をどのように分配するかなど、具体的な合意を得る必要があります。
特に、相続に関するトラブルを避けるためには、「遺産分割協議書」を作成し、全員の納得を得たうえで進めることが重要です。また、親が存命中で家を売る場合も、親の意向を尊重しながら、家族の希望を調整することが大切です。
話し合いの際には、売却後の資金の使い道や、売却にかかる税金や費用も含めて議論することをお勧めします。不動産の売却は家族全員に影響を及ぼす可能性があるため、全員が納得できる形で進めることが、後悔のない売却への道筋となります。
親の家の売却方法
親の家の売却方法は主に以下の3点です。
それぞれについて、以下で詳しく解説していきます。
親の代理人になって売却する
親が高齢や病気などで不動産売却を進めるのが難しい場合、家族が代理人となって売却を行う方法があります。この場合、親から正式に委任状を作成してもらい、不動産の売却手続きを代理で進めることが可能です。委任状には、不動産の特定や売却条件などを明記し、親の意思が明確に示されている必要があります。また、委任状の作成には、公証役場での公正証書による認証を受けると、より確実です。
代理人として売却を進める際には、親の意思を尊重しながら、売却価格や条件を決定することが大切です。また、売却後の資金の使い道や分配についても事前に親と相談し、トラブルを未然に防ぐことが求められます。代理人として動く際には、責任を持って親の利益を最優先に考えながら手続きを進めることが重要です。
名義変更して売却する
親の家を売却する際に、あらかじめ名義を子供に変更してから売却する方法もあります。この場合、まず親から子供への贈与や相続による名義変更を行い、その後に子供の名義で不動産を売却します。ただし、この方法を選ぶ場合、名義変更に伴う税金が発生する点に注意が必要です。贈与で名義変更を行う場合は「贈与税」が課される可能性があり、また相続で変更する場合は「相続税」が発生することがあります。
名義変更後に売却するメリットは、子供が売却手続きを主体的に進められることです。一方で、名義変更による税負担や手続きの煩雑さがデメリットとして挙げられます。特に、贈与税や相続税が高額になる可能性もあるため、税理士や不動産の専門家に相談し、負担を最小限に抑えられる方法を検討することが大切です。
成年後見制度を利用する
親が認知症などで意思能力を失い、売却に関する判断を下せない場合、成年後見制度を利用して売却を進めることができます。この制度では、家庭裁判所に申立てを行い、後見人を選任してもらいます。後見人には、親の財産管理や契約締結の代理権が与えられるため、不動産の売却手続きも可能になります。ただし、売却には家庭裁判所の許可が必要です。
成年後見制度を利用する際には、手続きに時間がかかる点や、後見人の報酬が発生する点を考慮する必要があります。また、後見人は親の利益を守る役割を担うため、売却価格や条件が適正であるか、慎重に判断されます。そのため、親の資産を適切に管理しながら売却を進めることができますが、制度の利用には時間やコストがかかることを理解しておくことが重要です。事前に専門家に相談し、最適な方法を選択しましょう。
親の家を売る際にかかる税金
親の家を売却する際にも税金がかかります。税金を把握しておかないと、後々トラブルにつながる可能性もあるため注意が必要です。かかる税金は以下の通りです。
譲渡所得にかかる所得税と住民税
親の家を売却した際に発生する利益(譲渡所得)に対しては、所得税と住民税が課されます。譲渡所得は、売却価格から取得費(購入時の価格や購入時の諸費用)や譲渡費用(仲介手数料や登記費用など)を差し引いた金額です。この所得が発生すると、その金額に応じて税金が計算されます。
税率は、家を所有していた期間によって異なります。所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得となり、税率が高く設定されています。一方、5年を超えると長期譲渡所得となり、税率が低く抑えられます。また、居住用財産の場合には「3,000万円特別控除」や「軽減税率の特例」を利用することで、大幅に税金を節約できる可能性があります。適用条件を満たすためには事前の準備が必要なので、専門家に相談して計画的に売却を進めましょう。
印紙税
印紙税は、親の家を売却する際に作成する売買契約書に課される税金です。契約書に記載される金額(契約金額)に応じて税額が決まります。たとえば、契約金額が1,000万円を超え5,000万円以下の場合、税額は1万円(軽減措置適用時)です。契約書が2通作成される場合でも、印紙税が必要なのは1通のみで、通常は売主または買主のどちらかが負担します。
印紙税の負担は他の税金と比べると少額ですが、売却に伴うコストの一部として計算に含めるべきです。契約金額に応じて税率が異なるため、契約書作成時には金額の確認を怠らないようにしましょう。また、適切な印紙を購入し、契約書に貼付することで、税金を正しく納めることができます。
登録免許税
親の家を売却する際に登記を変更する場合、登録免許税が発生します。たとえば、名義が親のままの不動産を相続人名義に変更する場合や、売却後に買主の名義に変更する場合に、この税金が課されます。税額は不動産の固定資産税評価額に基づいて計算され、通常、売主よりも買主が負担するケースが多いですが、相続登記の場合は相続人が負担することになります。
登録免許税の税率は登記の種類によって異なります。相続登記の場合は0.4%、売買による所有権移転登記は2%が基準です。ただし、相続登記は2024年4月から義務化されるため、売却をスムーズに進めるためにも早めに対応しておくことが重要です。この税金を計算に入れ、計画的に売却を進めることで、不必要な出費を避けられます。
親の家を売る際の注意点
親の家を売る際の注意点をいくつかご紹介します。
下記で詳しく説明していきます。
売却する時期を見極める
親の家を売却する際、売却時期の見極めが非常に重要です。不動産市場の動向は景気や地域の需要、金利など多くの要因に左右されます。例えば、住宅需要が高まる春や秋は、売却活動が活発になるため、有利な条件で売却できる可能性が高まります。一方で、繁忙期を避けることで、不動産会社のサービスをじっくり受けられる場合もあります。
また、築年数が進むにつれ家の価値は下がる傾向にあるため、売却を先延ばしにすることで価格がさらに下落するリスクも考慮すべきです。一方、タイミングを見誤ると税金や維持費の負担が増す可能性があります。不動産会社や市場の情報を基に慎重に時期を見極めることで、適正価格で売却を成功させることができます。
家の老朽化程度を把握する
売却前に家の老朽化程度を正確に把握しておくことも大切です。特に、外観や設備が老朽化している場合は、買主に与える印象が悪くなり、売却価格が下がる要因となります。具体的には、屋根や外壁の状態、水回りの設備、シロアリ被害の有無などを確認することが重要です。
老朽化が進んでいる場合、必要に応じて修繕を行うことで、家の価値を高めることができます。ただし、修繕費用が高額になる場合は、売却後の利益と比較して費用対効果を考える必要があります。不動産会社や専門の業者に相談し、適切な対応を検討することで、スムーズな売却につなげることができます。
売却したら確定申告が必要になる
親の家を売却した後には、確定申告を行う必要があります。売却によって得られた利益(譲渡所得)に対して税金が課されるため、正確な申告が求められます。譲渡所得は、売却価格から取得費(購入費用)や譲渡費用(仲介手数料など)を差し引いた金額で計算されます。また、居住用財産に該当する場合は、「3,000万円特別控除」などの税制優遇措置を利用できる場合があります。
確定申告を行う際には、必要な書類を事前に準備しておくことが重要です。売買契約書、仲介手数料の領収書、登記費用の明細などが代表的な書類です。さらに、親が高齢で手続きが難しい場合は、税理士に相談することでスムーズに申告を進めることができます。適切な申告を行うことで、税務上のトラブルを未然に防ぎましょう。
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まとめ
今回は、親の家を売却する際のポイントについて解説しました。親の家を売却する際の注意点は以下の3つです。
- 売却する時期を見極める
- 家の老朽化程度を把握する
- 売却したら確定申告が必要になる
この記事を参考にして、不動産売却が成功することを願います。